抗真菌薬の正しい使い方

抗真菌薬の種類と効果について

水虫やカンジダ症などの真菌感染症はそのまま放置していても治る場合もありますが、基本的には抗真菌薬を用いた治療を行うことが完治するためには必要になります。多くの真菌感染症が古くから問題となってきたことから、抗真菌薬の開発も進んできており、異なるメカニズムによって治療を達成できるものが多数存在しています。現在使用されている主なものとしてイミダゾール系、トリアゾール系、ポリエン系抗生物質、アリルアミン系、キャンディン系といったものがあります。イミダゾール系及びトリアゾール系の抗真菌薬はエルゴステロールの生合成を阻害することによって殺菌的に作用するのが特徴です。ポリエン系抗生物質はエルゴステロールを直接標的として細胞膜に穴を開けることにより殺菌作用を示します。一方、アリルアミン系はスクアレンの代謝酵素の阻害によるスクアレンの蓄積を促し、細胞膜のエルゴステロールの含量を低下させて殺菌的に働きます。そして、キャンディン系は細胞壁のβ-Dグルカン合成を阻害することで真菌を死滅させます。いずれの場合にも人にはないエルゴステロールやβ-Dグルカンといった部分を標的としていることが特徴であり、それによって強力な作用を示しても人の細胞には影響を与えないことが実現されています。そのため、どの抗真菌薬も作用が強力になっています。ただし、種類によって抗菌スペクトルが異なることには注意が必要です。キャンディン系はクリプトコッカス属には効果がなかったり、同じトリアゾール系の抗真菌薬であってもアスペルギルス属に有効なものもあれば有効でないものもあります。実際に使用する際には種類だけでなく個々の薬の特徴を知ることが必要です。

抗真菌薬の適切な使い方

抗真菌薬は真菌に感染することで発症するさまざまな症状を改善することが出来る薬です。現在ではこの分野の薬が世界中で活用されるようになっているのですが、しかし本来の効果を発揮するには抗真菌薬の正しい使い方を徹底しなくてはならないのです。ではその抗真菌薬の正しい使い方、適切な使い方として考えておかなくてはならないこととしてはどういったことが挙げられるのかと言うと、基本となるのは「主治医の指示に従う」ということです。インターネットの発達によって個人輸入を行って薬を購入することが出来るようにもなっていますが、これは好ましい方法ではありません。原因菌の特定からその菌に対して最も効果の大きい薬の選定、そしてその薬の最も効果的な使い方を指導してもらったうえで、それを徹底していくことが基本なのです。次いで注意したいのが「定められた服用・使用期間を守る」ことです。抗真菌薬は使うことで真菌に対抗していくことが出来ますが、同時に耐性を付けてしまうリスクがあるものです。体制とは特定の薬が特定の真菌に対して効果が無くなってしまうことであり、これは特に一度抗真菌薬を使い始めた人が、真菌を完全に無力化する前に服用を止めてしまうことで発生します。こうなるとその症状に関しては別の薬を使わなくてはならなくなり、無駄な費用をかけることにもつながりかねません。最悪の場合は対処できる薬が無くなってしまったなどのことにもなりかねないのですから、途中で使うのをやめることは絶対に避けてください。抗真菌薬は基本的に「医者の指示に従い、真菌を無力化できるまで使い続ける」ことで最大の効果を発揮します。頓服薬のように症状が激しい時だけ飲むような薬ではありませんから、ここをしっかり理解しておくようにしましょう。

抗真菌薬の主な副作用

抗真菌薬は薬である以上は良い効果と悪い効果があるものです。良い効果に関しては「ベネフィット」、悪い効果は「リスク」と呼ばれるのですが、このリスクの最たるものとなっているのが副作用です。副作用はどのような薬にでも存在しているため「副作用があるから使わない」と言ってしまうのは正しいことではありませんが、それでも使う側として副作用が存在していることは認識していなくてはならないでしょう。では抗真菌薬にはどういった副作用があるのかと言うと、これは抗真菌薬の種類によって異なります。ただ最も副作用が強いとされているのはポリエン系と呼ばれるタイプで、この薬には発熱や悪寒といったような症状や、急性尿細管壊死などの腎障害が引き起こされるリスクが存在しています。発熱や悪寒などは一時的なものですが、腎障害が引き起こされた場合には早期に医師の診察と治療が必要になるでしょう。次いでアゾール系と呼ばれるようなタイプも、ポリエン系よりはリスクが少ないものの副作用の存在が認められています。こちらの場合は肝障害や胃腸障害などが主になりますので、もしそういった症状が見られた場合には病院を受診するべきです。このように抗真菌薬によってそれぞれの副作用は異なるわけですから、「これが起きたから副作用が起きている」というようなことは言えません。そしてこの抗真菌薬で少々難しいのが「服用を中断するべきかどうか」の判断です。当然ながら腎障害や肝障害などの重篤な副作用が出た場合には中断するべきでしょうが、そこまで重篤では無いにも関わらず医者に無断で服用を中断してしまうと、体内の真菌に耐性を付けただけに終わってしまう可能性があります。こうした事態を避けるためにも抗真菌薬使用の際には医者の指導をしっかり聞き、間違えた判断を下さないような注意が必要なのです。

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